旅の備忘録

自転車日本縦断とかいろいろ

【自転車日本縦断旅】自由の為の約束【準備~出発 後編】

 

2022年3月中旬。

とりあえず、最低限揃える物は揃えた...と思う。

充実した旅にする為に、ある程度の軸は固めておきたいね。

後編は、旅の内容や最終仕上げ的な所に焦点を当てて、つらつらと。

 

 

後編:旅程、軸、その他

自分ルール?

自由の為のルールと言えばどこか矛盾しているような響きではあるが、完全な解放状態に置かれたとて結局右往左往すらも出来ず思考停止に陥るのがオチではないか。

ごっちゃごちゃに絡まり散らかしている頭の中を、せめて少しは紐解いた方が良いだろう。自由の皮を被った不自由からの脱却。

 

縦走ルート

一口に日本縦断と言えど、その旅路は各々の個性次第。今回はどんな感じにするかな。

 

 

鹿児島県最南端の岬である佐多岬から、北海道最北端の宗谷岬まで。

スタートは4月。南下ではなく北上なのは避暑の意味合いが大きい。

四国にも足を運びたいので、広島→愛媛はしまなみ海道を通ろう。徳島→和歌山、青森→北海道はそれぞれフェリーを使って海を渡ろうか。

経験が少ない上にソロなのでなるべく内陸を横切るのは避けたかったが、宮崎の高千穂にはどうしても行きたかったので、宮崎→熊本は腹括って頑張りましょう。

滋賀→福井も山越え必須だが、日本海ルートを選択する以上、避けては通れない。

東日本で日本海側のルートを選択しているのは、より近い場所で海の景色に臨みながら漕ぎ進みたかったというのと、ゴリゴリの都市部をなるべく避けたかったというのがある。

あれ、沖縄は?と思われた方も居るだろうが、沖縄~鹿児島間にあたっては移動手段の都合もあり、どうしても他区間と旅の在り方がかなり異なってくる。沖縄は沖縄単体で後日、ぐるっと一周巡りたいと思う。

 

素人の浅知恵で捻り出したルートにしては、良い感じに縦走できそうじゃないか。旅路のイメージが少しでも鮮明になれば、自ずと旅へのモチベーションも上がる。

 

チェックポイントは「パワースポット」

旅に対するそもそものモチベーションは、【出発前】の記事に書いた通り、半分は趣味として、もう半分は着地点を探す目的として。「知らない」を減らす旅。

知識も理解も、考えを巡らすエネルギーも一切足らんなら、エネルギーチャージの出来そうな場所に足を運べば何か変わるのでは、という安直な考えが浮かんだ。

つまりはパワースポット。自然が織りなす壮観や、神秘的な空気が漂う寺社仏閣へ足を運び、パワーを存分に拝借させていただこう。

 

これだけは譲れない拘り

前記事でも書いたが、旅の準備や計画にあたって、過去に自転車旅をされていた先人達の知恵はがっつり参考にさせていただいている。ただ、どうしても引っ掛かる点が1つ、先人の旅の在り方そのものを否定するわけではないけれども、これだけは反面教師として捉えるべきかなと思う点がある。

『野宿』だ。

ここで言う野宿とは、許可の無い私有地での宿泊行為を指す。いわゆる住宅街の公園とか、駐車場とか、ちょっとデカい公民館みたいな建物の屋根の下とか。

旅に関するブログなり掲示板なり見ていると、野宿しない旅なんて旅じゃない!とか、野宿こそが旅人としての箔を付ける!等といった主張が散見される。

気持ちは理解できなくもないが、はっきり言って、旅人という免罪符を盾にワガママを主張しているようにしか聞こえない。

実際に人に迷惑を掛けてなければOK、とはいかない。『自由』というのは「ルール無用」という意味では決して無いだろう。

本当にやむを得ない場合もあるだろうから、マジのガチで一切野宿をするなとは言わないが、せめて公言は慎みたい。

 

今回の旅では、そのような宿泊行為は一切しない。テントを張るのは必ず、公的にキャンプ可能とされている場所に限定する。仮眠可能とされている場所ではテントを張らず仮眠をとる。そのような場所がすぐに見つからない事が想定される場合は、宿泊施設または仮眠可能なネットカフェ等を予めマークしておき、そこで夜を明かす。

これだけは唯一、今回の旅における拘りというか縛り要素として進めていきたい。

 

 

技術面、身体面

自転車を買い、荷物を揃え、旅路および旅のコンセプトもざっくりとだが整えた。

後はひとまず、

・旅に出る前に習得しておいたほうが良い諸々の技術

・中~長距離を自転車で走る上でのペース配分の感覚

を残りの時間でどうにかしなければならないが......

 

自転車と仲良くなる

プロ級のメンテナンスが出来る必要はないにしても、マジで何も出来ません状態で出発しては有事の際に詰む。自分が出発前に予習しておいたのは、

・タイヤ着脱、チューブ着脱、パンク修理

・チェーンの清掃、オイル塗布

辺り。本当に最低限である。

スポークが折れた時の対処やブレーキのメンテ等は、ネットの情報に目を通す程度に留めた。本当はちゃんと出来るようになってから出発するのが良いのだろうけれども...

その分、旅の途中でこまめに自転車屋で点検を行ってもらうようには心掛けた。

なんとかなるやろの精神は、こういう都合の良い時に発揮されるものだ。

 

僕は輪行ができない

遠方に行くならほぼ必須スキルである輪行

結論を言えば、輪行スキルゼロの状態で旅に出た。なんならこの記事を書いている8月現在に至っても輪行ができない。

まあほら、とりあえずフェリーに乗っけとけば、輪行無しでもある程度の移動は可能だろうし、みたいな。

 

正直に申し上げると、輪行の度に自転車の分解と組立てを行うことを考えると面倒臭さが勝ってしまった。

 

いや限界あるやろ。何かあった時にどうすんねん、と。

事後報告になるが実際、今回は輪行スキル無しでなんとかなってしまったのでアレだが、今後自転車旅をしようと考えている方は輪行の練習をしてから旅に臨んだ方が良いかもしれない。

 

いざマメイチへ

自転車に必要な筋肉やスタミナは、多分漕いでるうちに身に付く。

とは言え一回ぐらい慣らしとして、プチ自転車旅という形で練習をしておきたい。

どこか練習に適した場所は......

 

 

なんと、丁度良い場所に小豆島が浮かんでいるではないか。

四国の右上、日本屈指のオリーブの産地。

 

家から程近い港からフェリーで上陸可能。小豆島一周にして80キロ強、キャンプ場も点在しておりテント泊の練習もできる。誰かが仕組んだのかと疑う程に都合が良い。

 

というわけで、1泊2日で小豆島一周、通称『マメイチ』決行。

詳細は別記事にまとめておこうと思う。

本記事では、ハイライトとして写真を数枚載せておくので、どんな感じだったかをざっくりと掴んでいただければ。

 

明け方の出発。日の出を迎えたばかり

ようこそ小豆島へ!

島の南東部は醤油作りが盛ん

記念館でマルキン醤油の歴史を知る

小豆島映えスポット

曇りのエンジェルロード

晴れ間の海は青々と輝く

田井浜キャンプ場。1日目はここで宿泊

2日目。寒霞渓ヒルクライム南側ルートから、内海ダムを見下ろす

登頂。本当に死ぬかと思った

絶景!

春の息吹を感じる

 

筋肉痛は当たり前のように襲ってきたけど、これぐらいの距離なら案外いけそうだ。

加えて、小豆島外周は想像以上にアップダウンが多く、思いがけずして脚を鍛える良い機会になった。

天気にも恵まれ、大きなハプニングも無く、ただその場の思いつきで寒霞渓*1ヒルクライムを敢行したことを除けばマメイチは平和に終わったと言えよう。

 

いや本当に地獄だった。詳細は別記事にまとめるが、旅の本番では身の丈に合ったルートを選ぶべきという事を骨の髄まで思い知らされた。ある意味、今回の最もたる収穫かもしれない......

 

 

 

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2022年4月1日。

年度が更新される日。大学の同期は今日から社会人デビューを果たした。

ごめんよ皆、自分はもう少しだけフラフラしようと思うよ。

荷物の最終確認をしつつ、近所の坂道を走りながら少しでも自転車に身体を慣らしていく。

用意周到に越したことはないが、いつまでも足踏みしていては現状を変えられない。

 

 

鹿児島まで向かう手筈も整えた。出発まであと4日。

次の記事に続く。

 

 

 

 

 

*1:小豆島の中心部に位置する、山々が織りなす渓谷が一望できる景勝地。最高標高は約700m